七人の侍 | シアワセノテイギ-シナリオライターけんたまのいろいろなこと-

七人の侍

昨日の続き。「SAMURAI7」に感化され、「七人の侍」を観たけんたま。


いや~面白すぎる。シナリオライターとして観たらありえない脚本・・・あの長い間は作れないぞ。けんたまなら台詞入れちゃうもん。それを役者の表情だけで表せる。初めて観たけど展開がまったく読めなかった(ストーリーの展開と言う意味ではなくて、ストーリーは至って単純、台詞のほうね)。今のドラマって、普通の人でも結構そうだと思うんだけど、次の台詞がわかっちゃうんですよ、ほとんど。ああ、こう来るな・・・みたいな。「七人」まったく読めない。「ええっっそう来るの!?」みたいな感じ。「SAMURAI7」を観てたからある程度流れや人物相関等わかったけど、初めて観る人は難しいんじゃないかな?二回、三回と観て初めてわかる映画だと思う。


で、気づいたのがこの映画って菊千代が主役なんですね。勘兵衛だと思ってたけど・・・菊千代は製作者からなんか愛されてる感じがした。とにかく三船敏郎の演技が圧巻。今この芝居できる役者っているのかしら?けんたま以外で(←勘違い)。志村喬の存在感にも圧倒される。秀逸なのが宮口精二演じる「久蔵」もう男の中の男って感じ。詳しくは言わないけど朝、走って帰ってきて何も言わずに寝る姿はもう惚れました。


ラスト、あんなにあんなんなっちゃうのが(本当は言いたくてたまらない)涙なくては見られないかもしれない。3時間半以上あるのにほとんど中だるみを感じさせない、集中して観れる作品。今まで観た映画ってなんだったの?なんて思っちゃうようなすばらしい作品であることは確か。


昔、中学の社会の時間に同じ黒澤映画の「生きる」を観て全然わからなかったんですよ。先生は「俺が観たい映画の中で今までで最高の映画」とか言ってたけど「どうせ自己満足でしょ?」なんて当時思っていた。友達もなにが面白いのかさっぱりわからない。授業の一環だと言うことで「見せられた」と言う気分になっていた(観たいから見たじゃなくて)のも原因の一つだと思うけど、やっぱり黒澤映画を観るにはある程度の年齢にならないとわからないんじゃないかなってこと。ニュースやドキュメンタリーみたいなもので(けんたまは昔まったく見なかったドキュメンタリー番組が今は好き)相応の経験が必要なんだと思う。小さい頃から黒澤映画命!みたいな人は別ですよ。


だから今の年齢になって初めて「七人の侍」が面白いと思ったのかもしれない。5年前ならスローテンポに耐えられなかったかもしれない。なのでけんたま以上の年齢でまだ見てないかたは是非観て下さい。


東宝
七人の侍